良性発作性頭位めまい症
めまいの80%は、耳(内耳)が原因です。脳梗塞や脳出血など脳が原因ででるめまいでは、症状がめまいだけということは稀であるため、診療所に歩いてこられる患者さんはほとんどが内耳性めまいであるといっていいかと思います。
近年、めまいで一番多いといわれている疾患が良性発作性頭位めまい症です。なでしこジャパンの澤選手がなったので有名ですが、内耳の中にある耳石器の耳石がなんらかの原因でとれて浮遊してしまうことでおこるめまいと考えられています。澤選手は、ヘディングでなったのではないかと思いますが、多くの方の原因は、老化現象の一つと考えられています。
症状の特徴は、聞こえには影響がないこと、じっと座っていればめまいを感じないこと、寝たり起きたり、急にふりむいたりすると回転性のめまいが数秒から長くても数十秒でるがすぐよくなることなどがあげられます。
診断は、本当に耳のきこえが大丈夫なのかオージオグラムなどの聞こえの検査で確かめる場合もありますが、確定診断は眼振検査(赤外線CCDカメラ)によります。基本的には、頭位を変えることで方向交代制に眼振が誘発されることで診断がつきます。
治療は、理学療法(エプリー法、レンパート法など)が中心になりますが、症状がひどい場合にはめまいを落ち着かせるような薬を処方する場合もあります。